2015年07月24日

ヘルパンギーナについて

毎年夏に流行する子どもの感染症であるヘルパンギーナについて、先週1週間における中央区内の患者報告数は警報基準を超え、大きな流行となっています。
ヘルパンギーナの患者の約95%は、6歳以下の小児(うち半数以上が2歳以下)となっています。
家庭での手洗いの習慣づけなど感染予防にご協力をお願いします。

【ヘルパンギーナとは】
 エンテロウイルス属のウイルスを原因とする感染症で、2〜7日の潜伏期間の後、突然38度以上の発熱、続けて口腔内に水疱が出現し、水疱が破れて痛みを伴います。その後2〜4日で解熱し、7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。
 合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。

【治療について】
 ワクチンや特効薬はありません。対症療法のみで、発熱などつらい症状を緩和する治療が中心です。口の中に水疱ができるため、食事がとりやすいよう、柔らかく、薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。

【感染経路と予防について】
主な感染経路は、ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染と、水疱や便に排出されたウイルスが手などを介して口や眼などの粘膜に入ることによる経口・接触感染です。
 外から帰った後、食事の前、トイレの後などに手洗いを行うことが最も大切です。治った後も2〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、集団生活ではタオルを共用することは避けましょう。お子さんの年齢に応じて、咳エチケットについて伝えることも大切です。